EBCC7 - ヨーロッパ乳癌学会
バルセロナで開かれていた第7回ヨーロッパ乳癌学会に行ってきました。といっても、外来の都合とブリティッシュエアウェイのストの影響で会期の半分以下の1日半の滞在でしたが・・・。
面白かったのはDebate討論の時間で、それぞれ2人の有名なドクターたちが二手に分かれてとある論点にたいして賛成チームと反対チームとして15分間「私の方が正しい。何故ならば・・・」といった風に主張する(オックスフォード式というそうな)。そしてそれぞれのサブのドクターたちがさらに5分間ずつ追加の主張をして、最終的に聴衆にYESかNOかの投票を促すのである。ま、とはいっても最終的な決着はつかなくて、今後も議論が必要だ・・なんてことになるのですが(ちなみに私が聴いたセッションの議題は「タモキシフェンの反応性(酵素活性遺伝子差)をチェックして使うのがよいか、誰彼にもAromatase inhibitorを使ったほうがよいか」についてでした)。議論が本当に好きな人たちである。
聴いたなかであと面白そうだと思ったのは、Cancer stromaのセッションで、これまでも本当にいろいろなmoleculeが大事だといわれてきている分野だけれども、Caveolin-1の話があった。この発表をした先生(アメリカ人)、これまで癌細胞のcaveolin-1発現を研究してきて15年、しかし思ったような結果が出ず。しかし、stromaに目を向けてみたら、実はこの発現が例えば、前立腺肥大のstromaでは発現なし。でも前立腺がんのstromaでは強発現。乳癌でもそうらしいし、治療反応性とも相関しているらしいとな。ふーむ。ニワトリと卵の関係で、癌細胞があるから間質細胞もおかしくなるのか、もともとstromaもおかしいのか・・その辺のところはよくわかりませんが、病理でみて、癌の中のstromaも「これは悪性だ」というような診断はできるのでしょうか?
あと、やはりいろいろな新しい薬剤の治験結果の話もありました。
VEGF antagonistのBevacizumab(Avastin)にはとっても関心がありましたが(実際使った患者さんで反応がよかった例があったので)、これまでのところProgression free survivalには有意差がでているけれども、最終的なOverall survivalには差がない、というのがいろいろな抗がん剤とのコンビネーションででた結果だそうだ。残念。やっぱり、癌細胞は人間の力量を超えて複雑すぎるんだろうか。
思いのほか、たくさんの日本人のドクターたちもはるばるいらっしゃってました。ざっと、抄録数とそのグループ集団をみていたら20人くらいはいたと思う。だーれも知っている人はいないなあ・・と思っていたら、唯一九州のR先生をお見かけした。向こうは覚えてないと思ったけれど、M先生を引き合いにだして話しかけたら話がつながった。3ヶ月投与と1ヶ月投与のLH-RH agonistのポスター発表をしておられた。
私は今回ボスのポスター発表の代理ということで(彼は別の学会でなんと、日本に行ってしまったのである)学会に行ってこいといわれただけなのですが、次回2年後のウィーンのときは、自分自身の発表で行きたいものです。
(おまけ)
学会の昼休憩の間に、どうしてもここだけは見ておきたかったサグラダファミリア教会に行ってきました。前回訪れたのはまだ大学生だった17年前のこと。やはり本当にまだまだずっと建設中である。教会というよりもまるでお菓子の家のようで、へんてこりんで、美しく、温かく人々を圧倒する。
面白かったのはDebate討論の時間で、それぞれ2人の有名なドクターたちが二手に分かれてとある論点にたいして賛成チームと反対チームとして15分間「私の方が正しい。何故ならば・・・」といった風に主張する(オックスフォード式というそうな)。そしてそれぞれのサブのドクターたちがさらに5分間ずつ追加の主張をして、最終的に聴衆にYESかNOかの投票を促すのである。ま、とはいっても最終的な決着はつかなくて、今後も議論が必要だ・・なんてことになるのですが(ちなみに私が聴いたセッションの議題は「タモキシフェンの反応性(酵素活性遺伝子差)をチェックして使うのがよいか、誰彼にもAromatase inhibitorを使ったほうがよいか」についてでした)。議論が本当に好きな人たちである。
聴いたなかであと面白そうだと思ったのは、Cancer stromaのセッションで、これまでも本当にいろいろなmoleculeが大事だといわれてきている分野だけれども、Caveolin-1の話があった。この発表をした先生(アメリカ人)、これまで癌細胞のcaveolin-1発現を研究してきて15年、しかし思ったような結果が出ず。しかし、stromaに目を向けてみたら、実はこの発現が例えば、前立腺肥大のstromaでは発現なし。でも前立腺がんのstromaでは強発現。乳癌でもそうらしいし、治療反応性とも相関しているらしいとな。ふーむ。ニワトリと卵の関係で、癌細胞があるから間質細胞もおかしくなるのか、もともとstromaもおかしいのか・・その辺のところはよくわかりませんが、病理でみて、癌の中のstromaも「これは悪性だ」というような診断はできるのでしょうか?
あと、やはりいろいろな新しい薬剤の治験結果の話もありました。
VEGF antagonistのBevacizumab(Avastin)にはとっても関心がありましたが(実際使った患者さんで反応がよかった例があったので)、これまでのところProgression free survivalには有意差がでているけれども、最終的なOverall survivalには差がない、というのがいろいろな抗がん剤とのコンビネーションででた結果だそうだ。残念。やっぱり、癌細胞は人間の力量を超えて複雑すぎるんだろうか。
思いのほか、たくさんの日本人のドクターたちもはるばるいらっしゃってました。ざっと、抄録数とそのグループ集団をみていたら20人くらいはいたと思う。だーれも知っている人はいないなあ・・と思っていたら、唯一九州のR先生をお見かけした。向こうは覚えてないと思ったけれど、M先生を引き合いにだして話しかけたら話がつながった。3ヶ月投与と1ヶ月投与のLH-RH agonistのポスター発表をしておられた。
私は今回ボスのポスター発表の代理ということで(彼は別の学会でなんと、日本に行ってしまったのである)学会に行ってこいといわれただけなのですが、次回2年後のウィーンのときは、自分自身の発表で行きたいものです。
(おまけ)
学会の昼休憩の間に、どうしてもここだけは見ておきたかったサグラダファミリア教会に行ってきました。前回訪れたのはまだ大学生だった17年前のこと。やはり本当にまだまだずっと建設中である。教会というよりもまるでお菓子の家のようで、へんてこりんで、美しく、温かく人々を圧倒する。
by marikology14
| 2010-03-28 18:24
| 医療
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